スペシャルトーク in八千代座 「ゆずり葉」のように


山鹿市読書活動推進大会 スペシャルトーク in八千代座 「ゆずり葉」のように ポスター

12月14日に、熊本県山鹿市の八千代座にて、当社団代表理事、井浦新のスペシャルトークが行われました。会場となる八千代座は、明治時代から地元の人々の生活に密着し、世代を超えて受け継がれている生きた芝居小屋。天井には多くの明治時代の広告が色彩豊かに貼られ、舞台、客席が一体となった小宇宙の様。山鹿市で現在も引き継がれ、多くの人に親しまれている「よへほ節」、「山鹿灯籠盆踊り」の楽を、三浦 なずなさんがしっとりと演奏され、トークは幕を開けました。

会場に集まった500名近くのお客様の温かい拍手を受け、三浦さんの篠笛の演奏が終わると、熊本放送キャスターの松村 奈央さんを司会に迎え、井浦と松村さんのトークが和やかに進行します。地域が育む文化を伝承したオンリーワンの存在の八千代座の話や、すばらしい伝統文化の祭りや芸能、工芸をつないでいきたい想いで、匠文化機構を立ち上げ、ライフワークとして写真を撮る活動を始めたこと、人生を変えた本との出遭い、印象に残った旅での写真・・・多くのエピソードを交えながら、トークが進んだところで会場を交えながらの質問タイムが行われました。時間の都合上、3名様からの質問への応答とはなってしまいましたが、幅広い年齢の方からご質問いただき、有難うございました。

ゆずり葉のように、自然界の営みが、私たちに受け継ぐこと、受け伝えていく中に証となる絆やつながりを諭していることを、日本の美しい文化や風土、そしてもの創りの職人の尊い精神が未来に受け継がれることを願い、一般社団法人を立ち上げ活動をしている井浦。その気持ちを河井 酔茗の一遍の詩「ゆずり葉」に託し、朗読をしました。ゆずり葉は、春、黄色みを帯びた若い芽が出ると、古い堅い葉が落ちると云われます。その様が、子が成長して親が代を譲ることにたとえられ、日本では新年を迎える縁起の良い木として、ゆずり葉をお正月のしめ飾りにつけるようになりました。自然界の営みは、私たちは、受け継ぐこと、受け伝えていく中に証となる絆やつながりを諭してくれます。大切な「何か」が私たちの心に響く詩の朗読でした。地域に根差した文化を伝え、そのよりどころとして八千代座を支えている山鹿市の皆様は、詩を通して、地域の文化に誇りを実感していただいたのではないでしょうか。

「今」の自分が「過去」から何を学び、「未来」へ何をつなげていくか。今年を振り返り、来年に希望を託し、匠文化機構も活動を多くの方々に共感していただけるよう、努めて参ります。この講演を記念して、山鹿市様からは、灯籠を頂戴いたしております。今に息づく素敵な伝統の工芸品まで頂戴しまして、誠にありがとうございました。

松村奈央さん
井浦トーク

井浦新氏
詩を朗読する井浦

会場の様子
会場は大入り。ご来場の皆様、ありがとうございました!