第34回式年遷宮奉祝事業
井浦新 下鴨神社写真展「御生 Miare」
「御生(みあれ)」をテーマに、井浦新が2年を通じて下鴨神社の自然や祭、神事を撮影した写真展。
式年遷宮を担う神社の人々の写真を、和紙に染め摺りにして「掛軸」に仕立てました。
非公開の重要文化財、神服殿に調和するように作品を制作してしつらえました。
下鴨神社の四季折々の自然や祭の写真を、井浦のナレーションとともに編集した映像作品も上映して、臨場感あふれる会場の演出を試みました。
2015年6月20日(土)~2015年9月30日(水)
【時 間】
10:00~16:00(6月20日は13:00~16:00)
【会 場】
下鴨神社 神服殿(重要文化財)
【拝観料】
大人 600円・小学生300円
*本写真展は下鴨神社特別公開の拝観料に含まれます。
【主 催】
賀茂御祖神社(下鴨神社)
【特別協力】
株式会社響映/鳳電気土木株式会社
株式会社西産装美/染め摺り工房キュービック
株式会社オニザキコーポレーション
華道家元池坊/株式会社松栄堂
【アートディレクション】
大賀匠津(Meta Maniera)
【企画制作】
一般社団法人 匠文化機構
〈主催 / 下鴨神社〉
心のかたち
古来、わが国では「明(あか)き、清(きよ)き、直(なお)き」という心のもちように重きをおいて、日常のくらしをしてきました。誰かに言われたわけでもなく、教えられたことでもありません。親や兄弟と、日々の生活のなかで身につけてきた心情です。
美しい心の有様を心根として先祖から受けついできました。その心を「かたち」に現わしたのが御祭です。
皆が集まり、今、生きていることを慶び、感謝するのが御祭です。葵祭の三日前、五月十二日、東山三十六峰の二番目の山の麓で御生神事という御祭が二千年の伝統によりおこなわれています。御生―みあれ、とは、命―いのち、を生む神秘的で大きな力のことです。この宇宙のすべてが御生によってなりたっています。井浦 新さんは、見えないものを見えるように、無いものが有るように出来る豊かな表情をおもちの俳優さんです。この度、その心を「かたち」に現してくださいと、お願いしました。
〈作者 / 井浦 新〉
この度、第三十四回式年遷宮の奉祝記念事業として、
「下鴨神社写真展」を開催していただくことになりました。
タイトルは「御生 Miare」。
今から二年前、葵祭の社頭の儀に代表参拝を務めさせて頂いたことがご縁となり、凡そ二年にわたり、神社の祭りや神事を撮影させていただきました。
糺の森で過ごすとき新たに何かが生れる、そして生きとし生けるものすべての命が再生するような気持になります。昨年、「御影祭」を撮影した時、神の魂を再生する祭りであることを知り、この不思議な感覚は「御生」そのものではないかと感じました。自然は人に宿り、人は自然に宿る。草木や花、人もしかり、自然の営みは、命の再生を繰り返しているのだと実感します。そして、式年遷宮そのものが「御生」なのだと。写真展を通じて、僕自身が心に感じた「御生」をお伝えできればと思います。
このような栄えある機会を頂きました新木宮司様始め、下鴨神社の皆様、そして、誠心誠意支えて頂きましたスタッフのひとりひとりに心から感謝いたします。